ヒツジ、狼と恋をする。




「…………。
あの…別に怖くないよ?
なんかよくわからないけど…さっきの男の人に掴まれた時は吐き気がしたのに、晶に手を掴まれた時は怖くなくて…。

今も…その、あんまり怖くない…」


「……………は?
お前、無理しなくていいんだぜ?
怖いとか、お前以外からも言われなれてるし、気遣いとか…」


「気遣いじゃないよ!
本当に!晶は、大丈夫!
むしろ可愛い!!」


「……………あ?」


「あっ」



わああああ!!!



ヤバい本音出ちゃったああ!!!



男の子に可愛いとか絶対怒られる!!



「ご、ごめんね!
変な意味じゃないの!!

うん、優しいって意味!
あはは、うん、うん…」



ひゃあああなんて無理矢理すぎる言い訳!



言い訳にすらなってないよ……。



絶対私、目泳いでるし…。



「………100歩譲ってさっきの微妙な発言は聞かなかったことにするとして…」



あっ、聞かなかったことにしてくれるんだ。



てっきり『可愛いとかなんだよ!』とか、少しは怒られるかと思ったけど。



眉が少し寄せられて不機嫌そうではあるけど、やっぱりあんま怖くないなぁ…。



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