ヒツジ、狼と恋をする。





「ただ……何?」




いや忘れろよ!


以外としつこいなこいつ!




「なん、でも、ない、の!!」




だってさ。



ただ、『俺は大丈夫』って…俺が特別みたいで。



優しいって、初めて言われて。



少し嬉しかったけど、なんか恥ずかしくてまともに顔が見れなくなった………だなんてさ。



それこそ恥ずかしくて、言えるわけねーだろ?



わざとらしく舌打ちのマネをして口を尖らせたツツジが可愛くて、つい笑ってしまう。



そしたらツツジもつられて笑って…。



なんでかな、生まれて初めてかもしれない。



人といて、こんなに暖かい気持ちになったのは。



俺は、この時はまだこの感情がなんなのか、なんて答えを持ち合わせていなかったけど…。



この時からかな。



俺がツツジに惹かれ始めていたのは。





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