ヒツジ、狼と恋をする。
耳を澄ませてよく聞くと…。
「…………!ツツジーーー!!!」
「……………………………」
ほんとに私呼んでるの!?
ここ最近、なんだか気まずくて避けてたからなぁ。
………まさか怒ってる?
いや当たり前だよね。
いきなり無視されたらそりゃ…怒るよね。
どうしよう…。
「ど、どうする!?
隠れる!?あぁでもどこに…」
私よりもパニックになっている千夏ちゃんと二人してオロオロしていると、バン!!と荒々しく教室の扉が開かれた。
チェックメイトだ。
終わった。
「見付けた!
ちょっと来い!!」
「えっ………!?」
ガシッと私の腕をつかんで、はいもいいえも言わせずに教室から引きずり出す。
こうして私は、隠れることすら出来ずに空き教室に連れ込まれたのであった。