ヒツジ、狼と恋をする。










うぅ…。



私が怪奇の目に晒されるようになって二日目だけど。



何!?どんな噂が広がってるの!?



昨日は半分くらいの人がチラチラと見てくるだけだったのに、今日はほぼ全員がジーっと見てくる上、ひそひそ話までする始末。



もう…なにこれ…?



千夏ちゃんには狼を顎で使ってるんだってね、とありもしない事実でからかわれ、クラスメイトには説明を求められ。



精神的にクタクタだよ。



「ねぇあなた、井上さん…だよね?」



「あ…はい?」



はぁ、と溜め息をついた直後に話しかけられ、振り向く。



恐らく同い年だと思われる女の子が3人、私を囲むようにして立っていた。



「ちょっと話があるんだけど。
ついてきてくれる?」



「え…あぁ、うん」



ついていくのは良いけど。



話ならここで話せばいいのに。



手招きされて、別校舎まで連れていかれる。



……なんで別校舎まで来たんだろ?



人目を気にするような話?



それならここも晶いるし、何気に安全とは言えないんだけどね。



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