ヒツジ、狼と恋をする。
「井上さん男性恐怖症とか言っといて、実は逆なんじゃん?
あれだ、守ってあげたくなるようなキャラ演じてるみたいな。
ぶりっこ?」
「ぎゃははは、言えてる!
藤崎くん、騙されて可哀想!」
えーと…。
男性恐怖症は嘘じゃないし、実際晶にもそれで迷惑かけたし。
晶を騙してなんかないし、でもいっても多分聞かないよなぁ。
「あの…」
「あー、別にうちらあんたの言い訳聞きに来たわけじゃないから。
ただ、藤崎くんに近付くなって言いたいの。
これは警告だよ。
次近付いたら、ただじゃおかないからね」
それだけ言って、3人は私に背を向けて歩いていった。
……結局なんだったんだろう…?
近付くなって、やだよ。
だって友達だもん。
友達に近付いたらダメなんて、おかしいよね?
……あぁでも確かに、私と晶の関係は少し気になるかも。
私は初めてできた男友達に少し浮かれぎみな感じがするけど、晶としてはどうなんだろう?
晶見た目は不良だけど、イケメンだし。
私が初めての女友達ってことは…多分ないよね。
あ、もちろん香代先輩は除いて。
あんなイケメンで優しい人を女の子が放っておくはずがないよね…。