ヒツジ、狼と恋をする。

「あ、ごめん、別に変な意味じゃないよ？
たださっき、同級生の子に聞かれて。

私は友達って答えたんだけど、晶は友達って思ってくれてるのかなって思って」



「あ…あぁ、そういう、意味か…」



少しほっとしたような、はたまたガッカリしたような、そんな表情を晶が見せる。



……どういう意味だと思ったんだろ…？



変な意味じゃないよ、とは言ったけど、まず変な意味ってなんだろ…。



自分でいっておいて、他の意味には捉えられないような…。



「………………そう、だな。
友達…なんじゃないか？」



「ほんと！？
本当に晶も私の事、友達って思ってくれてる！？」



「えっ……あぁ、思ってる、けど」



「やったぁ！！！
ちゃんと私、友達になれてた！

えへへ、男性恐怖症になってから男の子の友達なんて出来たことないから、変に考えちゃって…」



「…………おう」



やっぱり友達であってたんだ！



よかったぁ。



私はそのとき、晶の言葉に隠された迷いに、全く気付くことはなかった。