ヒツジ、狼と恋をする。
まだ少し震える足でなんとか立ち上がり、紙束をもって空き教室に入る。
そして、決められたスペースに紙を置いて、空き教室から出た。
さて…職員室に戻らないと。
一応廊下を確認した私は、一気に廊下を走って階段までたどり着く。
もういないとはわかっていたけど…胸を撫で下ろしながら階段を降りる。
3階から、1階へ。
階段を降りて左手に渡り廊下…があるんだけど、私はなぜか、何気なく、右側を見てしまって。
「っ!?」
「………………あ?」
また、さっきの不良と会ってしまった。
しかも、目がバッチリと合って。
「……………………」
「……………………」
今回は一応距離が離れているから、まだ良いけど。
最悪…なんてついてないんだろう。
「…………あの」
……さっきのこと、謝った方が良いよね。
怖いとはいえ、拾ってくれたわけだし…あの態度は流石に我ながら酷かったと思うし…。