ねぇ、愛してよ…-私に愛を教えて下さい。-
「あ、ももちゃんおはよー!」
「おはよ、お待たせ」
駅につくと弥和はもう既に待っていて、無理に作った笑顔であたしを迎えた。
そんな弥和に思わず溜息を吐いた。
「なにがあった?」
そう優しく尋ねると笑顔は消え、今にも泣きそうな顔で事の詳細を話しだした。
「あぁ…なるほど。
中学のときイジメてきた大して可愛くもない女に彼氏を寝取られ挙げ句そいつが今日転入してくる、と。
しかも彼氏は弥和がそのことを知ってるのも女が転入してくることも知らないわけね。
そりゃまた面倒な…」
弥和はセミロングの黒髪ストレートに二重のくりっとした目で少しふくよかな可愛らしい女の子。
パッと見とても真面目そうで大人しい印象を受ける。
まぁその通りだが。
「ねぇ、弥和は髪染めたりしないの?」
「え?いや、染めたいけど…似合わないかもだし…」
「そっか。じゃあ今から染めに行こ」
ニッと笑って弥和を立たせ、タイミング良くきた電車に強引に乗せる。
「えっ、えっ!?い、今からって、どこ行くの…!?」
「着いてからのお楽しみ♪」
あたしらしくない、少し可愛い子ぶったような口調でウィンクをすると戸惑いながらも大人しくなった弥和。
「今日は遅刻決定な」