ねぇ、愛してよ…-私に愛を教えて下さい。-
ふふっと笑いながら言うあたしに困った顔で
「わ、私サボったこととかなくて…ちょっと怖い、かな…」
なんて言う弥和。
「いいじゃん初めてのサボり!クセになるかもね」
強引にいけば弥和は大抵従うのでそれを良いことに好き勝手やっている。
まぁこれも一応弥和のためだが。
「弥和にはー…んー…
オレンジ系のブラウンとかかなー…
毛先だけ軽く巻いてー…
メイクはスッピンメイクでー…」
ぶつぶつ言いながらSNSを使って知り合いのヘアメイクアーティストに連絡をする。
今すぐ可愛くしたい子がいる、1時間後くらいに店に行くから時間を作れ、と。
特別だぞ、と簡潔にも了承してくれたらしい返事がすぐにきて思わず笑った。
「弥和、今日は高二1日目だ、どーんと派手にかましてやろう。その手伝いはあたしがする」
ニヤッと笑って戸惑う弥和の変身後を想像する。
まぁあいつがやるんだ、確実に可愛くなるだろう。
あたしは恋などできないだろうから、弥和には頑張ってもらいたい。
恋愛で一喜一憂する彼女の相談相手になれればそれで良い。