ねぇ、愛してよ…-私に愛を教えて下さい。-
それでも、それでもやっぱり本当の自分を晒け出せる相手は欲しいんだ。
友達でも良いから、一人くらい。
私は根暗で、愚痴が多くて、見た目も良いわけじゃない。
性格なんてもっと酷い。
そんな自分をよく理解しているから誰の前でも、本当にしたいことができないし、本当に言いたいことが言えない。
あたしを受け入れてくれる人などいないだろうから。
でも、弥和には可能性が無限にある。
可愛いし、女の子らしいし、優しいし。
憎らしいくらいに女の子だから。
その気になればいくらでも男ができると思うから。
人を好きになるという感情をちゃんと持ってるから。
あたしにない部分をたくさん持ってる。
「ねぇ弥和」
電車を降りて歩き出しながら弥和に呼び掛けた。
「なに?」
「寝取られた彼氏に未練ある?」
「…わかんない。好きじゃないって言ったら嘘になるけど、もう別れたいかな…」
あたしの唐突な質問に難しい顔をしながらゆっくり喋る弥和。