ねぇ、愛してよ…-私に愛を教えて下さい。-
見た目は少しワイルドなんだけど服装はカジュアルでいかにも美容師って感じの人。
「ほー…こりゃ良い素材してんじゃねぇか。磨きゃ変わるぞ」
「でっしょー?ま、あたしの友達だから当然だけど」
冗談も交えながら透さんと話していると
「あ、あの、お金、とか…私、その、ちょっとしか持ってなくて…」
弥和が恐る恐る聞いてきた。
「ん?なんだモモ話してねぇのか?」
透さんの言葉に呆れる。
「見りゃわかんだろ?」
だってあたしたちの関係を言えそうな子じゃないから。
それくらい弥和は純粋さが滲み出ているんだ。
「…まぁ、確かに」
透さんは弥和を少し眺めて笑いながら言った。
「だろ?弥和、その辺は気にすんな。今回はまぁ、無料みたいなもんだから」
「え、だってここってすごく高いんじゃ…」
あたしの言葉に不安な顔のまま言う弥和を
「だーから気にすんなって!良いって言ってんだから遠慮すんな。じゃ、中で透さんと話してくるからちょっと待ってて」
半ば無理矢理席に座らせ、staff onlyと書かれた扉を開ける。
「じゃあ弥和ちゃん、だっけ?ちょっと待っててな」
「は、はい」
透さんに肩を叩かれ、緊張しているのか吃りながら頷いた弥和。