ねぇ、愛してよ…-私に愛を教えて下さい。-
あたしにとっては、リスカをしなくても命を実感できる瞬間なんだ。
本当に大切で、かけがえのないものだから。
アダ名や名字なんかじゃなく。
もも、それが今のあたしにとっての生命線。
腕の傷を増やさないための魔法の言葉。
正気を保つための理性。
たかさんにそれを求めても無駄ってわかってるから求めないけど。
面と向かってじゃないけど呼んでくれる人もいるし。
まぁ会ったことない人だから面と向かってじゃないのは当然なんだけど。
「辞めるよ。いきなりなんで?」
箸を止めることなく訊き返すと
「辞めてどーすんの?やってけないじゃん」
…また始まった。
たかさんのお説教。
あたしを心配してのことだというのはわかってるし、優しさ故の説教というのもわかっている。
けどあたしにもあたしの考えがあってやり方がある。
数え切れない程言われてきたことだから余計に腹が立つ。