ねぇ、愛してよ…-私に愛を教えて下さい。-




「ちゃんと考えてるからさ」





わかりやすい作り笑いをしながら言うが




「それなら良いけどさー」




まだ話を続けようとするたかさんに限界を迎えたあたしの沸点。




「ごちそうさま。もう寝るわ」




立ち上がり無理矢理話を遮った。




当然たかさんは




「まだ話終わってないけど」




笑いながら言うその目は笑っていない。




けどあたしもこれ以上この話はしたくない。




「その話何度もしてるじゃん。同じこと何度も言わないでよ」




最後の理性で笑顔を見せて寝室へ向かった。




布団に入るなりイヤホンをして音楽を大きめのボリュームで流し目を閉じる。




たかさんが話しかけてこないように。




話しかけてきても聞こえないように。




苛ついて眠れなかったが、暫く音楽を聴いていると落ち着いてきて、気づけば眠りに落ちていた。




< 9 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop