fireworks【ファイヤーワークス】…花火大会
花火
冬が終わって……春が来て……夏になった。大好きな夏。
そして花火大会……。
ビールも美味しい。枝豆を掴んだらチャイムの音。
もう誰? 年に一度のイベントの邪魔をするのは……。
玄関で「はい」と返事をすると
「秦野です」お隣のおばちゃん。ドアを開けると
「酢の物、作り過ぎちゃって」あったかい笑顔で差し出された。
「いつもありがとうございます」そう言って受け取った。
「うん。美味しい」
そうだ。思い出した。去年も花火大会の日に煮物を作ったからと持って来てくれた。なんだか可笑しくて笑ってしまった。
五分もしない内に、またチャイムの音。またお隣さん?
「はい」とドアを開けた。そこに居たのは……
「哉太……」
「今夜、花火だったんだ……」
「どうしたの?」
今頃、何の用?
「入れてくれないかな? 話があるんだ」
「もう話すことなんて無いはずだけど……」
「十分だけでいい。聴いて欲しいことがあるんだ」
花火の音が聴こえている。キッチンのテーブルに向かい合って座って
「髪、切ったんだ。雰囲気変わったな」
「そう?」
哉太を忘れるために切ったのに……。
「麻梨奈、すまなかった。俺が悪かった」
「そんなことを長野から、わざわざ言いに来たの?」
「婚約は破棄した」
「えっ? 破棄って、どうして?」
「初めから彼女と結婚する気はなかった」
そして花火大会……。
ビールも美味しい。枝豆を掴んだらチャイムの音。
もう誰? 年に一度のイベントの邪魔をするのは……。
玄関で「はい」と返事をすると
「秦野です」お隣のおばちゃん。ドアを開けると
「酢の物、作り過ぎちゃって」あったかい笑顔で差し出された。
「いつもありがとうございます」そう言って受け取った。
「うん。美味しい」
そうだ。思い出した。去年も花火大会の日に煮物を作ったからと持って来てくれた。なんだか可笑しくて笑ってしまった。
五分もしない内に、またチャイムの音。またお隣さん?
「はい」とドアを開けた。そこに居たのは……
「哉太……」
「今夜、花火だったんだ……」
「どうしたの?」
今頃、何の用?
「入れてくれないかな? 話があるんだ」
「もう話すことなんて無いはずだけど……」
「十分だけでいい。聴いて欲しいことがあるんだ」
花火の音が聴こえている。キッチンのテーブルに向かい合って座って
「髪、切ったんだ。雰囲気変わったな」
「そう?」
哉太を忘れるために切ったのに……。
「麻梨奈、すまなかった。俺が悪かった」
「そんなことを長野から、わざわざ言いに来たの?」
「婚約は破棄した」
「えっ? 破棄って、どうして?」
「初めから彼女と結婚する気はなかった」