心ーKokoroー
幼い頃から
施設の敷地へ迷い込んだ
猫や犬などを
カッターナイフで傷つけ
血を見ては笑った
自らの手首を切り
流れ落ちる鮮血を見て
狂ったように笑い続けた
もっと…モット……
モット…見タイ………
抑えきれないほど膨れ上がった感情は
人々が行き交う昼間
母親と別れてしまったらしい少女と
腰が抜けて立ち上がれなくなったらしい男性を
次々に殺した
少女と男性の
生暖かい血を浴びた男性は
ふっと微笑んだ
その笑顔は
男性が決して他人には見せなかった
幻に近い笑顔だった
「サヨナラ 俺様」
男性は自らの首を刺し
警察の説得も空しく
その場で息絶えた