僕があの子を好きになっても良いですか?







「空真兄ちゃんは基本寮で暮らしているから
帰る時は荷物を取りに来るぐらいで滅多に帰ってこないし

竜真兄ちゃんも仕事で色々な場所へ行くから
同じく滅多に帰ってこないし

父さんも研究所に泊まる方が多いから帰ってこないし…

基本この家には來真兄ちゃんと僕しかいないから
広いのも大変なんだ」




…ほぼふたり暮らし…




「來真兄ちゃんは家にいるときは殆ど
小説の執筆とかするから
部屋に閉じこもっているし

僕だって入院することあるから
毎日家にいるわけでもないし

もう殆どガラガラだよ」


「じゃあ…
もう少し狭い家に引っ越せば良いんじゃね?」




確かに柿沢くんの言う通りだと思う

どうして広い家に住み続けるんだろう?




「…僕はあんまり覚えていないんだけど
ここは母さんの実家らしいんだ」


「お母さんの実家?
お祖父ちゃんとかとは暮らしていないの?」


「僕らにあげるよって言って
お祖父ちゃんは別の場所に住んでいるよ

本当はもう少し小さな家でも良いんだけど
ここはお兄ちゃんたちや父さんが
母さんと一緒に過ごした場所だから

広いけど住み続けようって決めているみたい」





…この家族って家族愛が凄い

あたしの家も見習わないといけないな







< 107 / 203 >

この作品をシェア

pagetop