僕があの子を好きになっても良いですか?
「でも…あたしが言えたのは…
白羽くんが黒岩さんに言えたからだよ?」
「僕……?」
「うん
あの時辛かったはずなのに
黒岩さんに言っていて
あたしも頑張ろうって勇気付けられたの
白羽くんが言わないと
あたしもきっと言えなかったよ」
「…………」
真っ赤になって
さっき來真さんが水につけていたタオルを
ギュッと握る白羽くん
「…ごめん白羽くん!大丈夫?」
「…平気……」
少しだけ苦しそうに呻く白羽くん
「美夜の言葉はストレートだよ…いつも」
「ただでさえ女に弱い斗真に
黒木さんの言葉は毒だよね……」
ふたりがそんなことを話していることなど
あたしは全く聞こえていなかった