僕があの子を好きになっても良いですか?
涙を拭いてバスへ乗りこむ
その前に白羽くんは朝買って来たと言う
酔い止めを飲んでいた
「それわざわざ買いに行ったわけ…?」
「うん」
後ろの席で隣同士の白羽くんと柿沢くんの声がする
あたしはふたりの前で窓際
通路側には萌が座っている
本当は萌と柿沢くんが隣で
あたしと白羽くんが隣だったんだけど
あたしが恥ずかしいからってチェンジしてもらった
「ごめんね萌
柿沢くんの隣になれなくて」
ふたりは両思いだけど
お互いの気持ちに気がついていないから
まだ萌が柿沢くんを好きだと柿沢くんは知らない
そのため小声で謝った
「気にしないで美夜
そういえば美夜ってバス大丈夫なの?
バス酔いするって言っていなかったけ?」
「あー…時々するかも」
そう
風邪とか滅多にひかないあたしだけど
バスだけは乗ると酔うことがあるのだ