僕があの子を好きになっても良いですか?
あの子のお見舞い
「斗真(とうま)くん…
キミは一体何をしたんだい?」
「ごめんなさい…」
あの子に鞄を持ってきてもらって帰宅したのは良いものの
家に帰ったら40度越えの熱が出て病院へ直行
入院することになってしまいました
と言っても入院は珍しいことじゃないから
僕はいつもの部屋の見慣れたベッドに横になり
同じく見飽きた担当医に怒られていた
「まぁ安静にしていなさい
何かあったらすぐに呼ぶんだよ」
「はい……」
先生が出て行って溜息をつく
しかしボーッとしているわけにもいかないので
近くにあった学生鞄から教科書とノートを取り出す
筆箱も取り出して中から鉛筆を出そうとすると
『バタバタバタ……』
病院に似つかわしくない走る音
次第にこっちへ向かって来ていた