僕があの子を好きになっても良いですか?
おばあさんが行ってすぐのこと
隣で同じくおばあさんを見送っていた彼が
突然座りこんでしまった
『ちょっ…大丈夫ですか!?』
話すのでさえも辛いようで
彼は何も言わなかった
『携帯電話借りますね!』
あたしは再度同じ場所に
救急車を呼んだ
『…すみ…ません……ゲホゲホッ』
『いえ……
あ…薬は?持っているんでしょう?』
『…ゲホッさっきあげたのが…全部です…ゲホゴホッ』
それがその日の最後の会話
その後救急車が来て彼は運ばれた
あたしは余裕を持って家を出た
過去のあたしに感謝しながら
無事に始業式に間に会った
彼のお蔭で
おばあさんは救急車に乗れた