僕があの子を好きになっても良いですか?







自分だって危ない体しているのに

どうしてあんな無茶したんだろう?


そう思った始業式から2日後

あの時の彼が教室内に入ってきて

名前が白羽斗真だと知った




ずっと謎だった

どうして彼が自分だって危ない状況なのに

おばあさんを助けてあげたのか




今ならわかる

…優しかったからだ

彼が誰よりも優しかったから




だからおばあさんを助けることが出来た

今生きているかどうかわからないけど

あの時おばあさんに『ありがとう』と言ってもらったのは

彼のお蔭だ




始業式から2日目から彼のことを意識し始めた

そして次第に好きになっていた

あんな些細な出来事…きっと彼は忘れてしまっている

教室でも話さない

そんな関係だったけど

あたしは次第に彼を意識するようになっていたんだ




あの日

薬を全部見知らぬおばあさんにあげてしまった


白羽くんに








< 144 / 203 >

この作品をシェア

pagetop