僕があの子を好きになっても良いですか?
自分だって危ない体しているのに
どうしてあんな無茶したんだろう?
そう思った始業式から2日後
あの時の彼が教室内に入ってきて
名前が白羽斗真だと知った
ずっと謎だった
どうして彼が自分だって危ない状況なのに
おばあさんを助けてあげたのか
今ならわかる
…優しかったからだ
彼が誰よりも優しかったから
だからおばあさんを助けることが出来た
今生きているかどうかわからないけど
あの時おばあさんに『ありがとう』と言ってもらったのは
彼のお蔭だ
始業式から2日目から彼のことを意識し始めた
そして次第に好きになっていた
あんな些細な出来事…きっと彼は忘れてしまっている
教室でも話さない
そんな関係だったけど
あたしは次第に彼を意識するようになっていたんだ
あの日
薬を全部見知らぬおばあさんにあげてしまった
白羽くんに