僕があの子を好きになっても良いですか?
あの子を信じて
☆斗真side☆
僕はあの日から
ずっと黒木さんが好きだった
先生や父さん・兄たちの反対を押し切って
微熱があるにも関わらず行った始業式の日
結局行けなかったけど…
僕はあの日あの子に出会ったんだ
道端でおばあさんが倒れていて
発作だってすぐにわかった
すぐに自分の鞄に入った
1粒しか残されていない錠剤を思い出した
…アレをあげればきっとおばあさんは一時の間でも助かる
だけどもしその後僕の発作が起きたらどうするんだ?
道の真ん中に止まって
グルグルとそんなことを考えていた
『大丈夫ですか?』
そんなおばあさんに話しかけたのがあの子
誰もしなかった行動に僕は動かされていた
気が付けば話しかけ救急車を呼び
たった1粒しか残されていない錠剤を渡していた