僕があの子を好きになっても良いですか?
おばあさんは無事に救急車に乗れた
だけどすぐに苦しくなって来た
やっぱり行かなければ良かったと後悔した
そんな僕をあの子は助けてくれた
同じ制服だったから始業式へ行かなくてはいけないはずなのに
時間も気にせずに救急車を呼んでくれた
あの時は苦しくて熱かったから
お礼をまともに言えなかった
2日後
僕は同じクラスにあの子がいることを知り
黒木美夜という名前も知った
だけどあんな通りすがりでかっこいい真似しておいて
結局は自分もぶっ倒れたなんてこと
あの子は覚えていないと思ったから
その上あの子は成績面でも見た目面でも目立つ人だったから
話しかけることなんて出来なかった
だけど
今は近くにいる気がするんだ
あの日と同じく
自分が酔っているにも関わらず
あの子に薬を渡してあげたり
樹と小谷さんがじゃれ合っているのを見て
「お似合いだね」って笑い合ったりもした