僕があの子を好きになっても良いですか?
「…斗真?大丈夫か?」
蓋を拾ってくれた樹が聞いてくるけど
僕は何も言えなかった
「今日告白するって
小谷と話していたよなー?」
「…萌?」
今度は樹が反応して
同じく鍋の蓋を落としていた
「ちょっとちょっとー!
ふたり共鍋の蓋落としすぎ!」
やってきたのは黒岩さんだった
「…あ…ごめん……」
鍋の蓋を拾おうと屈む
そして先ほどの男子の言葉を思い出す
黒木さんって…好きな人いるんだ
そりゃそうだよね…
いるに決まっているよね…?
「おい!
今の話どういう意味だよ!」