僕があの子を好きになっても良いですか?
「別に良いんだけど
どっちでも
でも好きなんでしょ?美夜のこと」
「そ…それは……」
「まぁ叶わぬ願いってやつだよねー?
柿沢が萌を好きになるのわかるよ?
幼馴染で好きになるっていう恋愛
漫画とかでもあるあるだから
だけど美人な美夜には
もっとイケメンな奴がお似合いだよねー?」
「……ッ」
「あんたみたいな奴が
見るような夢じゃないんだよね
美夜に恋するっていうのはさ!」
「…………」
黒岩さんはそのまま笑うと行ってしまった
カレーを作るための器具などが置かれ
火を点けることの出来る機械が揃うその場所に
沈黙が流れていた
「…斗真…平気か?」
「…なんとか……」
「お前こういう目立つような状況にいるの苦手だろ?
発作起こす前にどこか離れてろ
黒木さんや萌には言っておくから」
「…ありがとう」
僕はぎこちなく樹にお礼を言って
トイレの方へ歩きだした