僕があの子を好きになっても良いですか?







準備しているのか

トイレの周りには誰もいなかった


僕は外に立って

深呼吸を繰り返した



確かにもう少しで発作起きそうだったかも

樹のあの気遣いには…感謝だな





『あんたみたいな奴が
見るような夢じゃないんだよね

美夜に恋するっていうのはさ!』





…そんなこと

わかっているよ

だからもう少しだけでも

夢を見させてほしかったのに



もう少しで終わるって

知っていたのに

どうして期待なんてしちゃったんだろう?





「…っうぅ……」




泣いたら駄目だ

絶対に苦しくなるから




だけど

僕は泣いてしまっていた









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