僕があの子を好きになっても良いですか?









僕は座りながら黒岩さんを見た




「…人を…ケホッ殺すような真似だけは…しないで」




病院にいたんだ

知っている

様々な理由でこの世を去っていく人たちを

その人を偲んで泣いている人たちを





「斗真!」




樹が持ってきてくれた薬を飲む

…そしてまだフラフラするけど立ち上がった




「…黒木さんを探さないと
雨降ってきているし…下手したら風邪引くかも…ケホッ」


「そうだな!
先生に言ってくるな!
斗真はそこで大人しくしていろよ!?

萌!
手分けして先生を探そう!」


「うんっ!
白羽は大人しくね!」





ふたりが行ってから空を見上げる

さっきまで滝のような雨だったけど

今は小降りになっている








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