僕があの子を好きになっても良いですか?








「はっ…え……嘘………」





白羽くんは髪の後ろを掻きながら視線を泳がせた





「覚えているかな?
あたしと白羽くんって始業式の日に会ったこと」


「……あっ………」


「…やっぱり覚えてないよねぇ」


「覚えてるよ」


「えっ?」


「覚えているに決まっているじゃないか
忘れたくても…忘れられない出来事だよ」


「あ…そうだったの?」


「あの時かっこつけて倒れたよね…僕
本当に情けないよ…」


「情けなくなんてないよ白羽くんは」


「え?」





あたしは知っている

あの日も今も





「優しいからでしょ?
自分を犠牲に出来るぐらい白羽くんは優しいから

だからあの日おばあさんを助けたんでしょ?」









< 173 / 203 >

この作品をシェア

pagetop