僕があの子を好きになっても良いですか?
あの子が理由








☆斗真side☆






木々の合間を縫うように歩き

あの子を探す




「どこにいるの!?
あたしはここだよ!!

白羽くんっ!!!」





声が聞こえた

あの子の声が

聞き逃すはずのない声が




そして姿が見えた途端

思い切り抱きついてしまった

恥ずかしさなんてどうでも良かった

あの子が無事なら





見たところ怪我はない

だけど言わなくちゃいけないことがある




「どうしてこんな危険な真似すんだよあんたは!
俺や小谷さん…それに樹がどんな思いしていたか知ってんの!?

どうして1人で
こんな森ン中にはいって
迷子になっているわけ!?

危険な真似すんじゃねぇよ!!」





無我夢中だった

あの子が無事で嬉しかったけど

同時に怖かった




何かあったらどうしよう

怪我していたらどうしよう




そればかり考えていたから







< 176 / 203 >

この作品をシェア

pagetop