僕があの子を好きになっても良いですか?







水で濡れた眼鏡が

カシャンッと落とされた



そして

あの顔の半分を隠してしまっている

濡れて艶やかな前髪を上げた






「……ッ!?」




黒岩さんが笑うのを止めて止まる

息を飲んだ音が聞こえた





「…俺の彼女に
手ぇ出さないでもらえる?

もし出したら俺…
てめぇのこと絶対許さねぇから…」





汚れを知らない純粋な瞳が

真っ直ぐと黒岩さんを見つめる





「今回は彼女が怪我もなく無事だったから
見逃してやる

だけど今度は許さねぇよ?

次に彼女に手を出したら
今回のこともバラしてやる

小谷さんがその証人になってくれるはずだから」





そうだ…

あたしが黒岩さんから

白羽くんがいなくなったと聞いた時

萌も一緒に聞いていた






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