僕があの子を好きになっても良いですか?
バスの席は行く時と同じなので
あたしは白羽くんの前になる
だけど今だけは隣に座った
柿沢くん…許して!
誰もいない車内に
あたしたちの声だけが響く
「大丈夫?
冷えピタ変えた方が良いんじゃない?」
「……うん…」
「あたし変えてあげるよ」
さっきは同行した保健の先生に体温計を借りて計ったけど
もしかしたら上がって来ているかも
…本当に平気かなぁ?
白羽くん持参の冷えピタを鞄から取り出して
すっかりぬるくなってしまった冷えピタと交換する
初めて貼ったのが数十分前だったから
やっぱり熱上がっているかも
「やっぱり水かぶったのがいけなかったかもね…」
あー…黒岩さんのこと一発ぶん殴ってやりたい
だけど『暴力で解決は良くない』って白羽くんが言ったからなぁ
我慢しておいてやりますか…しょうがない
「熱計った方が良いかもしれないね
あたしちょっと保健の先生の所行って体温計借りてくるよ
大人しく待っててね」
立ち上がろうとすると
ガシッと腕を掴まれた