僕があの子を好きになっても良いですか?






「…ごめん……」


「白羽くん…?」


「傍にいてくれる…?」


「……良いよ」




あたしは1度上げた腰を下ろした




病院で何度も見かけたことある

熱で苦しむ患者さんの傍に

看護師さんや医者が寄り添っている姿を

人肌が恋しいって言うんだって

苦しい中誰もいなくなるのが不安だって





「隣にいるからね…白羽くん」


「ありがとう……」




あたしは背もたれにもたれかかった

握っている白羽くんの手は熱い

息遣いもどことなく苦しげに聞こえる

…大丈夫かな……?




だけどふたりだけの空間に

並んでいることが嬉しくて

ゆっくりと味わっていたくて

あたしは眠くもないのに瞼をとじた





「……僕
こんなだけど…

黒木さんの傍に…いたいんだ

これからもずっと…
美夜の傍にいて良いかな……?」







……へ?








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