僕があの子を好きになっても良いですか?
「わかりました
じゃああたしはこれで
お大事にね白羽くん」
「わざわざありがとう
黒木さん」
鞄を背負った黒木さんが
丁寧に頭を下げて出て行った
「そういえば先生
黒木さんと知り合いなんですか?」
下の名前で軽々呼んでいたし
「勿論
美夜ちゃんは
ここの病院の院長の娘さんだよ」
「く…黒木さんが!?」
こんな大きな病院の院長の娘さん?
黒木さんって結構なお嬢様なんだ
「小さい頃からよく
お父さんのお弁当や着替えなどを
届けに来ていたからね
ここに勤務している医者や看護師とは
殆(ほとん)ど知り合いなんじゃないかな」
だから下の名前で呼べていたんだ
…羨ましいなんて思うのは
身の程知らずかな…