僕があの子を好きになっても良いですか?
「おーい!樹!!」
…樹?
その声に我に返ると
隣の萌が真っ赤になった
…本当に好きなんだねぇ柿沢くんのこと
名前が一緒ってだけで真っ赤なんだから
「あ…竜真さん
お久しぶりですね」
後ろから声が聞こえ
あたしと萌の前に立つのは…
「樹……!?」
間違いなく萌が恋する相手・柿沢樹くんだった
ふわふわと柿沢くんの黒髪が揺れる
「あ…萌に黒木さん…」
「樹?知り合いか?」
「ええ
クラスメイトですから」
「そっか
斗真と同じクラスだもんな樹は」
親しげに話すふたり
あたしはもしやと思って
柿沢くんの名前を呼んだ