僕があの子を好きになっても良いですか?
あれ…?
黒木さんって滝川さんのこと知っているんだ
…そっか
院長の娘だもんね…滝川さんは
「大丈夫?
一旦病室戻ろうか
立てそう?」
手摺りを掴んで立ちあがろうとするけど
クラクラして視界が揺れていて
思うように動けない
「美夜ちゃん
一緒に運んでもらえる?」
「わかりました!」
元気よく返事した黒木さんだけど
僕は首を振ってそれを拒否した
無理
無理だってそれは!
僕は揺れている視界の中
手摺りに掴まってようやく立ちあがる
そして壁につたって病室へ戻った