僕があの子を好きになっても良いですか?







目元に触れてみると眼鏡がなかった

…どこ行ったんだ?僕の眼鏡





「白羽くん
眼鏡あるよこっちに」



後ろから黒木さんの声がする

どうやらぶつかったはずみで取れてしまったようだ



「…あ…ありがとう」




立ち上がって眼鏡を受け取ろうと振り向くと




「……ッ!?」


「…黒木さん?」




眼鏡がないからぼやけて見えないけど

黒木さんが何だか驚いた顔をしているように見えた




「黒木さん…?あの…眼鏡…」


「白羽くん…?」


「え?
あ…はい…白羽ですけど…?」




自分で言って何を言っているんだろうか…?




「あ…ごめん!眼鏡だよね!」


「ありがとう…」




眼鏡を受け取ってかけると

黒木さんはポカンッとした顔をしていた




「あの…黒木さん…?
どうしたの…?」


「な…何でもないから!
白羽くんは早く行った方が良いんじゃないかな!?」


「…あ…そうだね」


「じゃ…じゃあね白羽くん!」


「バイバイ白羽!」


「気を付けろよ斗真」


「黒木さん…小谷さん…樹…
うん…ありがとう!じゃあね」






黒木さんと小谷さんが真っ赤に見えたのは

多分僕の気のせいだよな…








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