僕があの子を好きになっても良いですか?
…でも…大丈夫かな?
調子良かったって聞いたのに
「…黒木さんと萌」
柿沢くんが少し音量を下げて話し始める
「多分お前らふたりが黒岩に色々言われたからだ
それでアイツ…責任を感じたんだ
以前アイツが欠席して
黒岩がアイツの仕事も全部請け負ったことがあったんだ
相手に自分がしたことの責任を追われることについて
アイツは結構責任を感じているんだ
その責任の重みで
たまにああやって普通だったのがいきなり発作を起こすことあるんだ」
「そうなの……?」
「下手したらアイツ
お前らに迷惑かけるからって行かないとか言いだすかも
…結構あるんだこういうの
相手に迷惑をかけないために自分の気持ちを押し殺すってこと
今まで色々な人に迷惑をかけてきたから
それ以上迷惑をかけられないってな…」
「…優しいんだね…白羽くん…」
「気弱なだけだよ…アイツは」
ふっと柿沢くんが笑った所で
先生が聞いてくる
「柿沢に黒木に小谷
白羽はどうした?」
「具合悪いみたいで早退させました」
「あ…そっか
大丈夫かな…アイツも…」