僕があの子を好きになっても良いですか?







「折角ですから中へどうぞ」という來真さんのご厚意で

あたしたちは白羽家に入った




「…中もやっぱり広いね…」


「うわ…すっげぇ」



感想を漏らす萌と柿沢くんとは反対に

あたしは開いた口が塞がらなくて何も言えなかった




「そちらの席へどうぞ…
あ…斗真は座っていなさい?」


「え?大丈夫だよ」


「まだ微熱なんだから
ゆっくりしていなさい…ね?」


「…ありがとう」




…何だこのほのぼのした兄弟は

來真さんってお兄さんって言うよりお母さんって感じ




「…おい斗真」


「何?」


「もしかして來真さんが
例の白羽来真(しらはね・くるま)さんか?」


「そうだよ?」





柿沢くんの言った

白羽来真という名前に

あたしは思わず立ち上がった










< 95 / 203 >

この作品をシェア

pagetop