僕があの子を好きになっても良いですか?
「折角ですから中へどうぞ」という來真さんのご厚意で
あたしたちは白羽家に入った
「…中もやっぱり広いね…」
「うわ…すっげぇ」
感想を漏らす萌と柿沢くんとは反対に
あたしは開いた口が塞がらなくて何も言えなかった
「そちらの席へどうぞ…
あ…斗真は座っていなさい?」
「え?大丈夫だよ」
「まだ微熱なんだから
ゆっくりしていなさい…ね?」
「…ありがとう」
…何だこのほのぼのした兄弟は
來真さんってお兄さんって言うよりお母さんって感じ
「…おい斗真」
「何?」
「もしかして來真さんが
例の白羽来真(しらはね・くるま)さんか?」
「そうだよ?」
柿沢くんの言った
白羽来真という名前に
あたしは思わず立ち上がった