男装プリンセス~続♡男装騎士~
ノエルは私に城下での遊び方をいろいろと教えてくれる。
どこから見る景色がいいだとか。
この時期にはどこどこで美味しい木の実が取れるとか。
「ほんと、ノエルっていい奴だよな」
「は?なに突然。気色悪ー」
「なんだよ、褒めたんじゃん」
心底怪訝そうな顔で見てくるノエルに頬を膨らませた。
「それに、すごい」
「すごい?なにが?」
「家の仕事手伝っててさ。ほんとすごいよ。俺なんて、なにもしてなくて。なんか恥ずかしい」
毎日の勉強をするより、ノエルみたいに誰かの役に立つことをしている方がずっとすごい。
私がしていることって、誰かの役に立つんだろうか。
「なにもしてないことなんてないだろ?ソラだって、なにかはしてるはずだ。それに、俺は別にすごくなんかねぇよ。父ちゃんが大変だから手伝ってるだけだ」
「それがすごいんだよ」
「ソラは、この国が好きか?」
「この国?」
ノエルはいつだって、楽しそうに話す。
言葉にはいつも覇気があって。