男装プリンセス~続♡男装騎士~



そう話すリクは、とてもいい顔をしていた。
幸せそうで、愛おしそうな顔で話す。



「身分違いの恋って、辛くない?」

「んー、どうかな。そりゃあ、俺は、将来お父様の跡を継ぐことになる。だから、やっぱり他国のお姫様とかそういう人の方がいいのかもしれないって思うことはあるよ」

「そっか・・・」

「でも、だからって、自分の思いを偽りたくないって思った。未来の事を想うより、今目の前の護りたい人を大切にしたいって」




リクが、かっこよく見える。
こんなに、かっこよかったっけ。



「もし、この先に、政略結婚の話が出たとしても、胸を張って護りたい人がいるんだって、その人と生きていきたいんだって言えるように。今は、たくさん勉強して、強くなって、そう言える自分になろうって」

「リク・・・、かっこいい!かっこいいよ、すごい!」

「そうかな?」

「そうだよ!すごい・・・、そんなこと考えてたんだ」



双子なのに、こんなにも違う。
私は考えなしで、お転婆で、お姫様らしいことなんて何一つなくて。

いつだって大人を困らせてばかり。


リクとは大違い。




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