男装プリンセス~続♡男装騎士~
「ミソラさま、お食事に参りましょう」
イチが迎えに来てくれた夕食の時間。
私はベッドにもぐりこんだまま返事もせずじっとしていた。
イチは困って何度も呼びかけるけど、返事をする気になれない。
だって、私を呼びに来てくれるのはカイの仕事だもん。
カイが迎えに来てくれなくちゃいや。
私の側にいるのは、カイがいいの。
「ミソラさま・・・。せっかくのお料理が冷めてしまいます。それに、王さまや王妃さま、リクさまもお待ちです」
「・・・いらない」
「ミソラさま・・・」
困ったような声が聞こえるけど、私は起き上がる気になれないの。
イチの事は好きだけど、イチじゃダメなの。
「ミソラさまは、カイさんの事をお慕いしているのですね」
「・・・」
「今のミソラさまを見て、カイさんはどう思うんでしょうか?」
「・・・え?」
私は、枕から顔をあげてイチを見た。
イチは優しく微笑む。