男装プリンセス~続♡男装騎士~
「行きましょう。ミソラさま」
「・・・うん」
差し出された手を取る。
イチはにっこりと笑った。
「行く前に、顔を洗ってもいい?」
「もちろんです」
涙でぐしゃぐしゃの顔。
しゃんとしなくちゃ。
お父さんにはお父さんの、そうしなくちゃいけない理由があったのかもしれない。
お父さんの仕事をよく知らない私が、文句を言ってはいけないんだ。
だったら私は、頑張って、カイを戻してもらえるまでちゃんとプリンセスをしなくちゃ。
泣いてばかりいたらダメだ。
カイに、呆れられちゃう。
だからこそ、私は頑張らなくちゃ。