男装プリンセス~続♡男装騎士~
「ミソラさま、お食事の用意が整いました」
「・・・ありがとう」
イチが迎えに来てくれて私は立ち上がる。
正直、食欲なんてなかった。
連れられるままに食事に向かい、味のしない料理を口に押し込む。
お父さんとも、お母さんともリクとも一言も交わさず。
時々、お母さんが声をかけてくれるけど、返事を返す気になれなくて。
こんなんじゃダメなのに。
私、頑張るって決めたのに。
カイがいなくちゃだめだよ。
カイが側にいてくれなきゃ。
「ごちそうさま」
すぐにその場を後にする。
その後に向かうのはお手洗い。
私は、食べたものをそこで吐き出してしまっていた。
食事を身体が受け付けない。
頑張らなきゃ、と押し込むけど身体は受け入れず吐き出してしまう。