男装プリンセス~続♡男装騎士~
「カイ・・・。お願い、カイの顔が見たい・・・。少しで、いいから・・・」
扉に額をつけ少しでも近づけるように。
ヒンヤリとした木の感触が、寂しい。
「だめだ・・・。帰るんだ、ミソラさま。俺は、俺のせいで、ミソラさまにケガを負わせてしまった」
「違う!私のせいよ!全部、全部、私が悪いの」
「ミソラさまを、あそこに連れて行くと決めたのも、ミソラさまを護れなかったのも、俺のせいであり、俺の力不足だ」
カイまで、お父さんと同じことを言う。
ポロポロと溢れだした涙。
悲しくて。
悔しくて。
「俺は、謹慎の身。この扉を、俺が勝手に開けるわけにはいかない。だから、帰りなさい」
カイは、私に会いたいって思ってくれない。
そんなの、わかってたことなのに。
少しだけでよかった。
カイの顔が見れたら、まだ頑張れる気がしたの。
もっと、もっと。
頑張らなくちゃいけないの。