男装プリンセス~続♡男装騎士~
「ごめんなさい・・・」
お母さんが言う通り、私にはわからない事情はたくさんあるはずだ。
それなのに、私がどうこう言う立場にないよ。
カイが苦しんでることくらい、お母さんだってわかってるはず。
それでも、どうにもできないこともある。
お母さんとカイは当事者同士だから。
きっと、そういうことなんだ。
いくら、お母さんに許すと言われたところで、カイは自分を許せないのかも。
しかも、カイはそんなお母さんに想いを抱いてしまった。
複雑な想いがきっとある。
私には、理解しきれない想いがきっとあるんだ。
「ミソラ。私には、カイを本当の意味で救うことはできない。カイは、いくら私が何を言ったって、私に対して罪悪感や引け目は消えないから」
「うん」
「でも、ミソラなら、カイを変えられるかもしれない。カイの心を救えるかもしれないと、私は思っているの」
お母さんの優しい手が私の頭を撫でる。
私は目を伏せ、その優しさに甘える。