なにわ大戦記

前の席のアホから赤いものがたれているが、鼻血ではないだろうか。

あまりの驚きで教室が沈黙する。

「おいおい、お前ら沈黙すんなよー
まあ、気持ちはわかるけどな?
そしたら…」

自己紹介を、といいかけた担任の横で、転校生は伏せていた目をぐっとあげて、俺たちの方をみてにこっと笑った。

するとそこには花が咲いたように
空気が明るくなり、彼女は口を開いた。

「こんちわっす!」

「「「「「…えっ?」」」」」

「大阪からきた宮本柚やでっ!
勉強は…まあ置いといて、運動ならなんでもできるのが特技かな?(笑)
ちょっとうるさいけど、これからよろしゅうな!」

形の良い唇から出てきたその言葉は…

ばりっばりの関西弁だった。


< 6 / 9 >

この作品をシェア

pagetop