Uncontrolled(アンコントロールド)
「今のは確信犯ですね、先輩。相当遊び慣れてますよね」
しれっとした目で見遣る星名に、朝倉は嬉しそうな顔をしてみせる。
「少しはドキっとしてくれた?」
「先輩の思惑通り、うっかりズキュンと胸に突き刺さりました」
正直に頷けば、朝倉はからっと声を出して笑う。
「やっぱり星名ちゃん、面白いね。一彰が一人占めしてるの、勿体ないな」
「何言ってるんですか。一彰とそんなに接点ないって言ってたのに、頼まれてわざわざ代わりに来てくれるくらいは仲良いんですよね。なのに、意図的にそういう顔しちゃう先輩って悪い男ですよね」
「女の子って、優しい男が好きだって言いながら、悪い男に攫われるのを夢見てるんでしょ」
流し目のちょっと意地悪そうな視線が、いかにもモテる男、といった感じで、嫌味がない。素直にいい男だと頷けてしまう。それもまた朝倉の魅力なのだろう。
「女って欲張りなんです」
「じゃあさ。星名ちゃんも欲張ってみれば? 強請ってみれば、案外簡単に手に入るかもよ」
そう言いながらも催促するように、朝倉は自分の左頬を人指し指でとんとんと軽く叩く。ほっぺにちゅーをしてこい、と言わんばかりだ。茶目っ気を出して、ウインクするのも忘れない。
相手が恋人だったとしたら、注意深く周囲を用心しながらも促されるままそうしていただろう。いくら朝倉に唆されたとしても星名にはできず、彼に対して首を横に振る。
しれっとした目で見遣る星名に、朝倉は嬉しそうな顔をしてみせる。
「少しはドキっとしてくれた?」
「先輩の思惑通り、うっかりズキュンと胸に突き刺さりました」
正直に頷けば、朝倉はからっと声を出して笑う。
「やっぱり星名ちゃん、面白いね。一彰が一人占めしてるの、勿体ないな」
「何言ってるんですか。一彰とそんなに接点ないって言ってたのに、頼まれてわざわざ代わりに来てくれるくらいは仲良いんですよね。なのに、意図的にそういう顔しちゃう先輩って悪い男ですよね」
「女の子って、優しい男が好きだって言いながら、悪い男に攫われるのを夢見てるんでしょ」
流し目のちょっと意地悪そうな視線が、いかにもモテる男、といった感じで、嫌味がない。素直にいい男だと頷けてしまう。それもまた朝倉の魅力なのだろう。
「女って欲張りなんです」
「じゃあさ。星名ちゃんも欲張ってみれば? 強請ってみれば、案外簡単に手に入るかもよ」
そう言いながらも催促するように、朝倉は自分の左頬を人指し指でとんとんと軽く叩く。ほっぺにちゅーをしてこい、と言わんばかりだ。茶目っ気を出して、ウインクするのも忘れない。
相手が恋人だったとしたら、注意深く周囲を用心しながらも促されるままそうしていただろう。いくら朝倉に唆されたとしても星名にはできず、彼に対して首を横に振る。