腐女子姫と七人の王子様
「これ全部内容同じだったから、それは無いんじゃなーい?」
「あ、おい蝶羽!あんたも勝手に開けるな!」
いつの間にか亜希乃に便乗して、蝶羽まで手紙を開けていた。
確かに、字の雰囲気や言葉は若干異なるけど似たりよったりな文章で、放課後屋上に来いという内容だった。
「……阿弓の事好きな人が、偶然同じ日に告白しようとしちゃったのかな?」
いや、本当に亜希乃の言う通りだったら嫌なんだけど……
口に出されると本当にそんな気がして、身体が固まる。
「えー……そりゃ無いでしょ……」
その可能性がゼロでありますようにと、手を左右に振って否定する。
「ま、取り敢えず行ってきたら?カラオケはまた今度ね。バイバーイ♪」
「健闘を祈るよ♪頑張ってねー!」
亜希乃と蝶羽がさっさと靴を履き替えて逃げるように帰っていく。
「ちょい待ちぃ!親友なら陰で見守ってよー!」
おいぃ!!親友がピンチなんだぞ!!助けろよおぉー!!
……はぁ、行ってしまった。
仕方ない。取り敢えず、行ってみるか……
告白と決まったわけじゃないし。