腐女子姫と七人の王子様
❇さて、思い出話をしようか。
―――トレジャーガーディアンズ女子部、略してTGGのオフィス―――
「♪♪〜」
私は自分のデスクで同人誌を読んでいた。
もちろん、ジャンルはBL。
本来結ばれる事の無いものが結ばれる……程よく障壁があるの、やっぱり最高。
男女の恋愛とはまた違う魅力があるんだけど、なかなか周りの人には理解してもらえないんだよね。
「アユさん、また同人誌読んでんの?好きだねぇ。悪いけど、私にはどこがいいのかさっぱりわかんないよ。偏見してるわけじゃないけどさ」
TGGのリーダーこと、アイリが呆れたように話しかけてきた。
「わかんないならわかんないで良いさ。別に私が良いと思えばそれで良いし。仲間が居ないわけじゃないし。ほらよ」
スマホのロック画面をアイリに見せる。
イケメンな忍者のコスプレの、私を含めた女子が数人、カメラに向かって苦無を向けている。
皆私の仲間、腐女子。
「コスプレイヤー?」
「うん、ネットで知り合ったの。すげぇ趣味合うんだ!」
「はあ……まあ趣味は人それぞれだけどさ、そんなんじゃいつまで経っても彼氏出来ないよ?」
「は?私彼氏いるよ?」