腐女子姫と七人の王子様


『今日の君の彼氏は、僕だよ。
  放課後、美術室で待ってる。
  来なくても僕が連れてくけどね。

        祁答院 紫臣』



「……」

いつの間に、どうやって入れたんだ……?

全身の毛が、ゾワッと逆立つ。

しかも、よりによってあのヤンデレくんが初日か……

はあ……




そしてやってきた放課後。

私が美術室の扉を一応ノックしてから開けると、紫臣くんがはキャンバスに絵を描いていた。

夕暮れ時の美術室は、窓が大きいから夕日が差し込んで、綺麗。

その中で熱心に絵を描く紫臣くんも、とても絵になる。

「ああ、良かった。来てくれたんだね。もう少し遅かったら、僕から行くところだったよ」

私の存在に気がついて、作業を止めて暗い目を向けてきた。

「……どーも。わざわざ美術室に呼び出して、何するの?」

「……ちょっとだけ、後ろ向いてくれないかな?」
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